【質問2‐8】
地球温暖化に関する長期的見通しを知りたい。

【解答の要点】
 地球温暖化防止のためには、炭酸ガス排出量を現在の70億トン-Cの1/2の30億トン-Cにしなければなりません。そのためには炭酸ガスの収集、固定といった新しい技術を開発しなければなりません。
 
【解答】
 地球温暖化に関する長期的見通しについてはIPCC(International Panel on Climate Change−気象変動に関する政府間パネル)で科学的に議論されています。
 炭酸ガスの環境への排出は、1990年において炭素換算で70億トン-Cに達しています。この放出量は年々増加しており、放出量を抑制しない限り地表の炭酸ガス濃度が年々高くなります。炭酸ガスは地球温暖化ガスといわれ、その濃度が高くなると地表の温度が年々高くなり、地球環境が変化して様々な悪影響がでてきます(質問2‐2の解答参照のこと)。
 地球温暖化防止の閾値は炭酸ガス濃度で550ppmとされています。この閾値達成を目標とするならば、2300年に向けて最終的に炭酸ガスの排出量は年間30億トン-Cと1990年レベルの1/2以下にしなければならなりません。しかもその過程では、年間70億トン-Cの炭酸ガスの排出量を年々削減して、増え続ける大気中の炭酸ガス濃度の増加を抑制しなければなりません。そして2070年までには大気中の炭酸ガス濃度をピークにした後に最終的に炭酸ガスの放出を年間30億トン-Cしなければなりません。
 
これがIPCCの報告書の内容であります。

 この報告書により、1995年にCOP1(気象変動枠組条約第1回締約国会議)が開かれ、COP3(いわゆる地球温暖化防止京都会議)において、第1次目標として、2010年における温室効果ガスの放出を、1990年比で先進国で5.2%、わが国で6%削減することを取り決めたのであります。(質問2‐2の解答参照のこと
 そして、今後もCOPでは第2次、第3次、・・・と温室効果ガス放出削減強化の取り決めがなされる予定で、また開発途上国も含めた削減枠が取り決められる見通しであります。

  では現在でも先進国だけで、1990年比5.2%の炭酸ガス放出の削減に苦労しているのに、2300年までに世界全体で1990年レベルの1/2以下にすることは可能なのでしょうか。おそらく現在の技術レベルでは不可能でしょう。
 現在の炭酸ガス放出削減は主として省エネルギーに依存しています。そして省エネルギーは機器設備のエネルギー効率の向上と国民の賢いエネルギー利用によるものであります。これはもう限界に近づいています。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーも大いに利用したいものでありますが、電力の安定供給のためには、お天気任せの気ままな電力は全電力設備の1割程度に止まるでしょう(質問2‐11の解答参照のこと)。
 
 炭酸ガス放出削減を強化するには新しい技術開発が必要であります。それは炭酸ガスの収集および固定であります。このための技術開発はすでに始まっております。例えば炭酸ガスの固定については炭酸ガスハイドレード(水分子が組み合わさったクラスター構造の中に炭酸ガスが閉じ込められたもの。低温、高圧化では安定な固体となる。)の深海中の廃棄であります。安全性が確認されれば有力な炭酸ガス固定方法となるでしょう。2050年完成を目指して研究が進められています。
 また世界人口の抑制も重要な目玉であります。世界人口が適切な規模であれば、世界の各個人が快適な環境のもとで持続可能的に生存できます。

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