【質問番号3】
 質問2-11の回答に関連した質問です。何ゆえ風力発電のようなお天気任せの電力は全設備容量の10%程度が限度なのですか。

【回答】
 電気は貯めることができません。このため時々刻々変動する需要に対して常に供給力を確保して、需要と供給の均衡を図ることが必要であります。
 需要と供給のバランスを欠くと、周波数や電圧が変動します。周波数や電圧が設定した値以上にずれた場合にはタービン発電機の安全運転、安定運転に支障を及ぼすために、発電機は緊急停止して停電になります。
 また周波数や電圧が変動すると電気時計の精度に影響を与えたり、製品の製造過程において製品の品質に影響を与えることもありますので、需要家に迷惑がかからないように周波数、電圧は常に一定に保つ必要があります。

 1日の負荷変動の例を示すと、図のようになります。この図は全国の電力負荷を示したものですが、各電力会社の負荷変動の割合は各社ともほぼこの図と同様であります。図の1995年8月25日の例で言いますと、最大の電力需要が170百万kwに対して、最低の電力需要が75百万kwであって1日の変動が95百万kwと、ピーク出力の50%以上の変動となります。
 この負荷変動に対応して電力の供給を過不足なく行うためには、先ず各電力会社は1日の需要予想をたてます。これは翌日の天気予報の気温、天候を参考にして、過去の経験をもとに需要予想を作成します。そして、電力供給力を各水力、火力、原子力発電所などに割り当てておきます。
 各電力会社の中央給電指令所は当日の予想気温などの気象条件により前日の予想需要を見直して発電所の運転スケジュールの見直しを行ったうえで、時々刻々変動する需要量に対応して発電所に出力指令を行います。
          
 このような需要と供給の調整は、従来は気温や晴雨などによる需要側の変動のみに対応すればよかったのですが、お天気任せの風力による電力供給側の気ままな変動にも対応しなければなりません。停電を起こさせずに、安定な電力を供給するためには追加される変動分(風力発電の電力変動)に対しても対応できなければなりません。
 北海道電力は、過去の電力運用経験より最大負荷変動の一割程度、すなわち発電設備容量の5%程度の風力発電の受け入れでは、安定に電力を供給でき需要家に迷惑をかけないと考えています。そして今後の経験の積み重ねで逐次受け入れ電力を増強できると考えています。
 風力発電大国であるドイツの電力会社は発電設備容量の一割の風力発電を受け入れています。大陸続きで、他国の電力網と太く結ばれているドイツと同一視することはできませんが、系統運用の経験を積み重ねれば、風力発電は設備容量の一割は受け入れ可能と思われます。

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